温泉・貸切露天風呂:新潟の温泉旅館「嵐渓荘」

2015年06月06日

〝机山〟はおもしろい



昨年の5月頃湧いた野望。〝机山〟に散策道を!
※詳しくは以下の記事
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2014/05/19の記事〝机山〟
机山
3年前の夏にひどく痛めつけられた嵐渓荘の前を流れる守門川。今年の春で復旧工事がようやく完了致しました。工事用の仮設道が完成しては、増水で流されやり直しの繰り返し。整備され青空に美しく映えるこの風景は、工事に携わった方たちの苦労のたまものです。…この写真を撮りながら思ったのは、「そう…


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おかげさまで、冬にはスノーシューツアーを開催できました。
そして散策道も雪解けから作業しております。
それもこれも…
公益社団法人日本山岳ガイド協会認定山岳ガイド・和田さん
のお力添えによるものであります。
和田さんのかけ声にのせられて妙に話がトントン進んできました。
道つけも和田さんの紹介でご縁が生まれた上越の木下さんにご尽力頂いております。
春から何回かにわけて泊まり込みで作業していただいております。
本当にありがとうございます。
道は安全面の心配もありますので、これから秋にむけてゆっくり整備していきます。
一回は大雨に降られてみないとどんなになるかもわかりません。
秋には開通式を予定しております。
またご縁があってNPO法人 日本トレッキング協会に加入もさせて頂きました。
和田さんは理事、木下さんも正会員でいらっしゃいます。
嵐渓荘の奥には吉ヶ平から始まる八十里越えもあります。
登山や山歩きにはこれまではそれほど興味がありませんでしたがface07icon10
スノーシューから始まってこの道造りと、自然の中を歩くことの楽しさに気がつきました。
いろんなところを歩きに行ってみたいですね。

さて、そんな道つけ作業のなかで大発見?がありましたface02

まず散策道は、嵐渓荘の裏に走る県道から脇にはいる道になります。
道路から最初の20メートルが急勾配で、登りやすい道を造ってもらっていますが、
少なくてもスニーカーか長靴でないと歩けない道です。
浴衣で下駄履きで…というわけにはいきませんface03そこのところはお許しください。
つづら折りの道を登りきると横になだらかに続く道となります。
散策道のメインはそこから〝雪なし〟方面に行きます。
そちらの道つけをする過程で、なにげなく藪を払ったところ…


こんな感じのどう見ても人の手が加えられた道が現れたのです。
※雑木は生えていたのでそれは伐採してからの写真です。


その道を少し歩くと、先が崩れたようなところに出ます。
そして左を見上げると上に登る道がありました。


登った先に「石垣」みたいなのが見えます。
初めにこれを見つけた方は興奮したそうです。「ここは城か砦の跡にちがいない!」と。


登っていくと、この石積みが現れます。
果たしてこれは人が積んだものか?天然自然にできたものか?


その坂道を登り切ると30メートル四方くらいでしょうか、木が生えてない広場にでます。
こんなかんじの意味ありげな巨石がいくつかあります。
自然にできたようにも見えるし、人の手が加えられたようにも見えるし…
さて、どういうものなのでしょうか?


道については明らかに石を積んで整えられたものと思われます。

こうやってBlog記事にすると、なんだか探検隊の記事風です。
わくわくします!…とはいえ、裏山のスケールの小さい話ではありますが(^^;)

すべて天然自然にできたものというのも考えにくい気がします。
はたしてでは誰がなんのためにここに手を加えたのか?
嵐渓荘はできてまだ90年くらいです。
その前はここはなにもない山で、炭焼きの人がいた時代もあったとか。


昭和のはじめの頃の貴重な写真です。
温泉掘削のやぐらが見えますが、その後ろの山が〝机山〟です。
木は低木なのは炭焼きのせいだと聞いたことがあります。

さて、謎解きは本当に楽しいですね。
みなさんも道が完成したら、ぜひ現地に登られてあれこれ空想を働かせてみてください。

〝雪なし〟については新潟大学の渡部 直喜先生から謎解きをして頂きました。
先日、先生にご質問させて頂いたところ、以下たいへんご丁寧な教えを賜りました。
心より感謝申し上げます。ご興味のある方はぜひご覧下さい。

…さて、〝雪なし〟の現象ですが、地面の温度が常に0度以上であれば、理論的には雪は積もりません。
しかし、実際には、気温が低く、短時間に大量の降雪がある場合、地面の温度が0度以上であったとしても雪は積もります。
これは熱量のバランスの問題で、地中から地面に供給される熱量よりも、気温や降雪によって冷却される効果(奪われる熱量)のほうが大きければ、いずれ地面は0度以下になり、雪は積もります。

〝雪なし〟の場所は、地中から相応の熱の供給がある場所と考えられます。簡単に言えば床暖房のある場所です。
例えば、消雪パイプからの散水と同じ原理で、年間を通じて12〜15度くらいの地下水がにじみ出しているような場所(湧水の周辺など)には、ほとんど雪は積もりません。。

ブログの写真を拝見すると、机山の〝雪なし〟の場所には地下水ではなくて、地下から温かい空気が供給されているのかもしれません。
新潟地域の場合、地下10〜15mより深い場所の地温は13〜14度で一定(季節変化はなく、年平均気温くらいの温度)です。
机山は岩石が積み重なっている所のようですので、もしも岩石が30〜40mの厚さで積み重なっていれば、地下30〜40mの空気は地中からの熱で温められて、一年を通じて同じ温度になっていると思います。
風穴(ふうけつ)のようなところから、このあたたかい空気が吹き出しているのかもしれません。
どこからか冷たい空気が入っても、地下30〜40mで周囲の地温と同じ温度に温められて、〝雪なし〟の場所から吹き出しているのではないでしょうか。
この場合、夏は涼しい空気が吹き出していると思います。実は、夏も冬も吹き出す空気の温度はほぼ同じなのですが、外気との関係で、夏は涼しく感じると思います。

詳しい熱の収支の計算はしませんが、もしも数十m積み重なった岩の底(地中)に18〜20度くらいの微温泉でも湧いていれば、ほぼ間違いなく雪は積もらないと思います。

詳しい調査をしていないので断言はできませんが、考えつくかぎり、〝雪なし〟の場所の原因は以上のようなことで説明できるだろうと思います。
今、地中熱利用の省エネ住宅などが宣伝されていますが、天然でも地中の熱(温められた空気や地下水)を効率よく取り出す通路さえあれば、火山や高温泉のような特別の熱源がなくても〝雪なし〟の場所はできると思います。

以上、よろしくお願い申し上げます。
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Naoki WATANABE, PhD
Research Institute for Natural Hazards
and Disaster Recovery,
Niigata University,


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空左右衛門さんからのコメント。2015年06月06日 01:54
とても解りやすい 説明です。納得です。
空左右衛門さんからのコメント。2015年06月09日 00:36
再度 納得です。確か 旧源泉は17℃ ほどでした? 
空左右衛門さんからのコメント。2015年06月09日 00:43
ミステリーより 現実の現場の数々を思えば 八十里越えルートの信憑性が ますます高まり ワクワクしますねぇ。郷土史家を育てましょう。
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